映画『足りない二人』北海道プレミア上映のお知らせ
公開日時:2019年04月05日 カテゴリー:小樽FCニュース
ついに聖地・北海道での上映が決定!
映画『足りない二人』
4/8(月)札幌シネマフロンティアにて一夜限りの特別上映を開催
北海道・後志地方を舞台に撮影・制作された、映画『足りない二人』の北海道プレミア上映が、2019年4月8日(月)、札幌シネマフロンティアにて開催されます。
本作で描かれるのは、北海道・積丹の極寒の景色の中、行き詰まりの生活を送りながら共同執筆をする漫画家男女の物語。二人で創作することに希望を見出す男・小山内宏太を演じるのは、『親密さ』(11)で主演を務める佐藤秋。二人でいることに不安を抱える女・中西楓子を演じるのは、『きみはいい子』(15)出演の山口遥。
実生活でも交際中である主演・監督の佐藤と山口、作品の主人公である漫画家カップルの小山内と楓子、そんな2人が創造する漫画の世界の恋人たち――三重の入れ子構造が極めて異色のストーリーとなっています。
ことさら注目すべきは、「観光地としての一面ではなく、普段の北海道を表現したい」という佐藤と山口の思いが反映されたシーンの数々。さらに、道民スタッフのアドバイスが作品にリアリティを、道民キャストが彩りを与えます。
企画始動から約5年の歳月を経て、今年2月には、企画当初より目標に掲げてきた東京・新宿三大映画館のひとつである「新宿ピカデリー」でのプレミア上映を実現し、287席のチケット完売を記録した本作。東京及び札幌でのイベント上映を皮切りに、今後は全国での興行上映を目指します。
メイン撮影地であり、作品の舞台となる北海道での一夜限りのプレミア上映の機会をお見逃しなく!
【北海道プレミア上映開催概要】
イベント名 :映画『足りない二人』北海道プレミア上映
上映劇場 :札幌シネマフロンティア(札幌市中央区北5条西2丁目5番地 JRタワー・ステラプレイス7F)
上映日時 :2019年4月8日(月)18:30の回(本編上映終了後、舞台挨拶実施)
鑑賞料金 :1,200円均一
チケット発売日:
〈インターネット〉
2019年4月3日(水)0:00〜 [=4月2日(火) 24:00~]
https://www.cinemafrontier.net/cgi-bin/pc/resv/resv_shw_ppt.cgi?ttc=28449&tsc=1&tssc=4&ymd=2019-04-08&cs=6
〈劇場窓口〉
2019年4月3日(水)8:00〜(劇場Open時より)
【作品概要】
タイトル :映画『足りない二人』
出演者 :佐藤秋 山口遥 鈴木佳代 三好勝恵 渡辺徹 太田友樹 西川里佳 高橋毅 山下一世
監督・脚本 :佐藤秋 山口遥
主題歌 :やけのはら「CITY LIGHTS」(felicity)
本編上映時間:119分
制作/企画・製作/配給:UNUS
公式サイト :https://tarinaifutari.com
予告編映像 :https://youtu.be/9SioPB18QpU
クレジット表記:©2017 UNUS Inc.
【ストーリー】
北海道・積丹郡美国町で、同棲生活をしながら共同で漫画を執筆している小山内と楓子。二人の漫画家としての収入は殆どなく、生活を支えているのはアルバイトで稼いだ給料。そんなジリ貧生活の二人に追い打ちをかけるかのように、周りの同業者は売れていき、久しぶりに帰った実家では確実に老いていく家族の姿を目の当たりにしてしまう。
日々の不満をぶつけ合いながら、成功できない理由を相手のせいにしては、悪化していく二人の関係。
そんな行き詰まりの生活から抜け出すため、小山内は新たな作品の執筆に取り掛かる。それは、自分たちが主人公の漫画。
「二人で描けば、絶対に面白いものになるんだって」
一方で30歳を目前に控えた楓子は、恋人同士で漫画を描いていくことに対する疑問を日に日に膨らませていた。
「二人で居るから、うまくいかないことが多いと思う」
いつまで経っても足並みが揃わない、いつまで経っても自分たちのことが見えない二人が、漫画家として生きていくために選んだ道とは——。
【映画人からの応援コメント】(抜粋)
実際に付き合ってる男女の役者が演じる漫画家二人の生活は、まるで実験ドキュメンタリーのようで、売れたいと思う俳優の心とジレンマが生々しくも痛々しく語られていく。
だけど、いつの間にかこの二人が『浮雲』の高峰秀子と森雅之のように見え始めるのだから始末が悪い。くっついたり離れたり、平成末期の日本で腐れ縁を続けながら、人生を全うしようとする姿に寄り添ううちに、最後にはスクリーンを食い入るよう に見ている自分に気づいてしまった。
――瀬々敬久(映画監督/ 『64-ロクヨン– 前編/後編』、『菊とギロチン』)
雪国。パートで働きながら、ひとかどの漫画作家を目指す、足りないだらけの若い二人。たまかな暮らし、 閉塞感、あせり、挫折が丹念に描かれる。美しすぎる風景との落差があざやか。
多い食事のシーン。ことごとくが、現在を象徴し、未来を暗示する。何を表現すればいいのか。ともに時間を共有すればいいのか。二人は悩む。とにかく、切ない。
映画の半ば、これは、いまの時代そのものではと気付く。では、希望はあるのかと。
答えは観客に委ねられる。
静謐にして正攻法。かつての日本映画のよさを内包しつつ、最近の多くの日本映画への鋭い抵抗がある。撮影、練れた脚本、過不足のないセリフが秀逸。細部のこだわりも数多く、なにより、映画そのものに、品、風格がある。ことに、多くの若い人たちに見てほしいなあ。
――二井康雄(映画ジャーナリスト・書き文字ライター・『暮しの手帖』元副編集長
30歳を目前にする“29歳”は間違いなく人生の分岐点だった。
未来を見ないといけないと分かりつつ、未来を照らすには足りないものに目を向ける勇気も足りなくて。
そんな誰もがきっとぶつかる理想と現実の狭間で揺れる恋人たちが、同じ仕事をし、同じご飯を食べるなんて、それこそ理想的で驚異的。
対話劇は、痛々しくて阿吽の呼吸。
時の流れと同じように、感情にゆるやかに流されていく二人の希望と絶望、現実逃避は、間違いなく脚本や演技だけではない、この二人からにじみ出るもの。それがジワジワと面白い。
――伊藤さとり(映画パーソナリティ)